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SGLT2阻害薬による特に注意すべき副作用:低血糖

目次

低血糖が起こりやすい状況と主な症状

患者さんが薬の量や服薬・注射するタイミングを間違えたり、食事時間のずれや食事量の不足、激しい運動などにより、低血糖が起こりやすくなります。

血糖値が低下すると、交感神経刺激症状(冷や汗、動悸、不安、手足のふるえ、頻脈、顔面蒼白)や中枢神経症状(頭痛、目がかすむ、眠気(生あくび)、空腹感、意識障害、痙攣・昏睡)などが発現し、意識を失うこともあります。

症状が現れたときには、すぐに糖分(ブドウ糖もしくはブドウ糖を含む食品あるいは飲料水)を摂取するようにご指導ください。

低血糖の発現頻度

スーグラ®︎錠の1型糖尿病患者さんを対象とした国内臨床試験では97.5%(196例/201例)、2型糖尿病患者さんを対象とした国内臨床試験では0.5%(9例/1,669例)に低血糖が認められました。

また、頻度不明ですが市販後に副作用報告された低血糖の症例の中には、無自覚性低血糖および夜間低血糖も確認されています。

スーグラ錠 市販直後調査結果のご報告[1型糖尿病][調査実施期間:2018/12/21~2019/6/20]

スーグラ錠 市販直後調査および市販直後調査後の継続安全性監視・情報提供活動結果のご報告[2型糖尿病][調査実施期間:2014/4/17~2015/4/16]

低血糖対策のポイント

SGLT2阻害薬を以下の薬剤と併用する場合には、低血糖のリスクを軽減するため、インスリン製剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、GLP-1受容体作動薬の減量を検討してください。

※製造販売後臨床試験にて低血糖症状が確認されています

ただし、1型糖尿病患者さんでインスリン製剤を減量する場合は、ケトアシドーシス等のリスクが高まるため、過度の減量に注意してください。また、過度の食事制限も避けるようにしてください。

インスリン製剤およびスルホニルウレア剤に関しては、以下の「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」の減量方法をご参照ください。

インスリン製剤

  • 血糖コントロール良好(HbA1c<7.5%)な場合、開始時に基礎および追加インスリンを10~20%前後を目安に減量することを検討する。
  • 血糖コントロール良好でない(HbA1c≧7.5%)場合、服薬開始時の基礎および追加インスリンは減量しないかあるいはわずかな減量にとどめる。
  • 経過中、血糖コントロールが改善し低血糖が顕在化した場合は、血糖自己測定や持続血糖モニタリングの結果に応じ、患者自身で責任インスリン量を速やかに減量できるよう指導する。
  • ただし、上記の場合でも患者にはインスリンを極端に減量することは控えるよう指導する。特に基礎インスリンの減量は治療前の20%を超えることは避け、慎重に減量すべきである。

スルホニルウレア剤

  • グリメピリド2mg/日を超えて使用している患者は2mg/日以下に減じる。
  • グリベンクラミド1.25mg/日を超えて使用している患者は1.25mg/日以下に減じる。
  • グリクラジド40mg/日を超えて使用している患者は40mg/日以下に減じる。

低血糖を起こしやすい患者さんの例

  • 1型糖尿病の患者さん
  • 他の糖尿病治療薬(特にインスリン製剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤またはGLP-1受容体作動薬)を併用している患者さん
  • 高齢の患者さん
  • 腎機能が低下している患者さん
  • 不規則な食事や過度の食事制限、激しい運動をしている患者さん
  • アルコールを飲みすぎている患者さん

※製造販売後臨床試験にて低血糖症状が確認されています

日常生活で頻回に低血糖を起こしている方は、低血糖が無自覚化しやすいため、より注意が必要です。

患者指導のポイント

低血糖の症状が現れたときにはすぐに糖分(ブドウ糖もしくはブドウ糖を含む食品あるいは飲料水)を摂取することを伝え、家族など周囲の人にも知らせておくように指導してください。

高所作業、自動車の運転中などに低血糖を起こすと事故につながるおそれがあることもあわせてご指導ください。

また、1型糖尿病患者さんでは、強化インスリン療法により低血糖を起こしやすいため、特に注意するようご指導ください。


SGLT2阻害薬による特に注意すべき副作用

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