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メディカルアフェアーズ情報

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費用効果分析に関連する用語の解説②

費用効果分析によく使用されるモデル

費用効果分析では効果と費用を計算するために治療の流れおよびその予後を簡略的に表したモデルが使われることが多い。ここでは一般的に使用される、決定樹モデル、マルコフモデル、分割生存時間モデルについて説明する1,2)

決定樹モデル(decision tree model)

図1に決定樹モデルの例を示す。ある病態を規定するシナリオ(治癒、不変など)を想定し、分岐を作成する。確率点で各分岐に移行する移行確率(P)を、臨床試験結果などに基づいて設定する。上記移行確率を終端で設定した効果と費用に掛け合わせることにより、新規治療と従来治療別に総効果と総費用を算出し、ICERの計算に用いる1,3)。決定樹モデルでは、罹病期間の短い疾患(例:インフルエンザなどの感染症)などの治療評価によく用いられている4)

マルコフモデル(Markov model)

図2にマルコフモデルの例を示す。疾患に関連する病態を複数の健康状態で定義し(安定期、進行後、死亡など)、各健康状態へ移行する一定期間(1サイクル:図2では1年)の遷移確率を臨床試験結果などに基づいて設定する(A)。初期状態(1年目)から次以降のサイクルに移行した場合の各健康状態のコホート人数を遷移確率に従ってあらかじめ定めた観察期間でシミュレートする(B)。各健康状態で設定した効果と費用に各サイクルの人数を掛け合わせ、総効果と総費用を算出する。上記例を従来治療とした場合、新規治療のマルコフモデルは別の遷移確率で作成し、同様に総効果と総費用を算出してICERの計算に用いる1,3)。慢性疾患など患者の長期的予後を評価する場合によく用いられる5)

分割生存時間モデル(partitioned survival model)

分割生存時間モデルは遷移する健康状態を設定するモデル(図3)であり、臨床試験から実際に得られた生存曲線に最もフィットする関数をあてはめた近似曲線(図3 B)を、各状態の人数割合を求めるために使用する。細かく設定した時間単位ごとに(例えば1カ月ごとに)この曲線を輪切りにしてモデルで定義した健康状態(無増悪、増悪、死亡など)の患者割合を推計し(図3 B)、各健康状態の効果と費用をこの患者割合と掛け合わせて合算することにより総効果と総費用を算出し、ICERを求める。分割生存時間モデルは、最近抗がん剤治療の費用効果分析でよく用いられている2)

感度分析

モデルに用いたパラメータの推定値のばらつきが大きい場合、または、パラメータを仮定に基づき設定した場合は結果の不確実性が大きくなることが予想される。その場合、該当するパラメータの結果(ICER)への影響を調べるため感度分析が行われる。感度分析には、1つのパラメータを一定の範囲で変化させる一次元感度分析、複数のパラメータを同時に取り扱う確率的感度分析などがある6)

一次元感度分析(one-way sensitivity analysis)

一次元感度分析では、モデルに入力した各パラメータを一定の範囲(点推定値の95%信頼区間、±10%など)で動かしてICERを算出し、変動幅が大きい順に並べ替えて図示する。図4では基本分析(base case)のICERを中心に、感度分析で設定したパラメータの範囲の下限値の結果を青、上限値の結果を赤で示してある。一次元感度分析では結果に大きく影響を与えるパラメータが何かがわかる3)

確率的感度分析(probabilistic sensitivity analysis, PSA)

確率的感度分析では複数のパラメータを同時に扱うが、各パラメータにあらかじめ確率分布を設定しておく。コンピュータの繰り返し計算手法のモンテカルロ・シミュレーション(Monte‒Carlo simulation)を用いて、千回から1万回の繰り返し計算7)の後に得られた散布図から、ICERの閾値を下回る確率がどれほどかが視覚的にわかる(A)。費用効果受容曲線(B)は、2種類の治療間の費用対効果を図示したもので、横軸はICERの閾値、縦軸は閾値以下となる確率である6,8) 図5の例では、ICERの閾値が500万円/QALYでは従来治療が費用対効果に優れる可能性が高いと評価されるが、閾値が1000万円/QALYでは新規治療が費用対効果に優れる可能性が高いと評価される結果となっている。

参考文献


関連情報

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