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腎機能障害

腎機能障害

Ⅱ.重大な副作用:腎機能障害

  1. 概要
  2. 注意事項
  3. 対処法
  4. 発現状況

Key Points

  • 臨床試験において腎機能障害の発現が認められていることから、定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察してください。
  • 急性腎障害は、高齢、基礎疾患に慢性腎不全がある、発熱、脱水、食事摂取量の減少、複数の医薬品の服用、薬剤の多量服用、肝不全などがリスク因子として挙げられていますので1)、これらに該当する患者ではご注意ください。

本剤の電子化された添付文書(抜粋)

注意喚起の設定根拠

重大な副作用

EV-301 試験とEV-302 試験における腎機能障害に関連した副作用として、急性腎障害(1.5%)が認められたほか、血中クレアチニン増加、腎機能障害、高窒素血症、血中尿素増加、高クレアチニン血症、蛋白尿、尿量減少の発現が認められております。

重要な基本的注意

本剤を用いた国内外の臨床試験において、腎機能障害が認められていることから、本剤の投与前及び投与中の定期的な検査や臨床症状の十分な観察を促すために設定しました。

発現機序

  • エンホルツマブ ベドチンによる副作用「腎機能障害」の発現機序は不明です。

<出典>

  1. 厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 急性腎障害(急性尿細管壊死)(平成19年6月;平成30年6月改定)

臨床症状

  • 症状がなく進行する場合もあるため、血液検査において、血清クレアチニン、尿素窒素(BUN)の上昇で示される高窒素血症の有無を確認することが必要です1)
  • 症状の持続や急激な悪化を認めた場合には、早急に入院設備のある専門病院に紹介してください1)

患者指導

  • 腎臓の障害部位及び発症機序等により症状は異なりますが、一般に、以下のような症状があらわれた場合、速やかに受診するよう指導してください1)
  • 乏尿あるいは無尿  • 多尿  • 発疹  • 浮腫  • 倦怠感  等

注意が必要な患者

  • 臨床試験において腎機能障害の発現が認められていることから、定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察してください。
  • 急性腎障害は、高齢、基礎疾患に慢性腎不全がある、発熱、脱水、食事摂取量の減少、複数の医薬品の服用、薬剤の多量服用、肝不全などがリスク因子として挙げられていますので1)、これらに該当する患者ではご注意ください。

定期的な検査の実施

  • 急性腎障害等の腎機能障害の重症化を防ぐには早期発見と早期対応が重要ですので、血清クレアチニンやBUNを含む血液検査及び一般検尿を定期的に実施し、十分な観察を行うようにしてください1)

【参考】

国際共同第Ⅲ相試験において、血清クレアチニン及びBUNは以下のとおり測定しました。

  •  EV-301試験:スクリーニング時、サイクル1のday1(エンホルツマブ ベドチン群ではday1、day8、day15)及びそれ以降の各サイクルのday1投与開始時2)
  •  EV-302試験:スクリーニング時、各サイクルのday1及びday8投与開始時3)

<出典>

  1. 厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 急性腎障害(急性尿細管壊死)(平成19年6月;平成30年6月改定)
  2. Powles T, et al. : N Engl J Med. 2021;384(12):1125-1135. [本試験はアステラス製薬の支援で行われた。著者には同社より助成金等を受領している者、同社の社員が含まれる](PMID: 33577729)(PEV-00057)
  3. Powles T, et al. : N Engl J Med. 2024;390(10):875-888. [本試験はアステラス製薬及びSeagen社(現Pfizer社)の支援で行われた。著者には同2社より講演料等を受領している者、同2社のコンサルタントを務める者又は社員が含まれる](PMID: 38446675)(PEV-00470)

対処

  • 急性腎障害等の腎機能障害が認められた場合は、休薬、減量又は中止等の適切な処置を行ってください。

【本剤の電子化された添付文書】 (抜粋)*

【参考】腎機能障害のGrade分類(CTCAE v4.03準拠)

発現頻度

電子化された添付文書

電子添文に記載された副作用発現頻度は以下の通りです。
急性腎障害(1.5%)等の腎機能障害があらわれることがあります。

臨床試験等における副作用の発現状況

【単剤投与時】
国際共同第Ⅲ相試験(EV-301試験;エンホルツマブ ベドチン群 n=296)における腎機能障害*1の発現頻度は以下のとおりでした1)

【併用投与時】
国際共同第Ⅲ相試験(EV-302試験;エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ群 n=440)における腎機能障害*1の発現頻度(1%以上)は以下のとおりでした2)

発現時期

【単剤投与時】
国際共同第Ⅲ相試験(EV-301試験;エンホルツマブ ベドチン群)における腎機能障害(有害事象)の初回発現時期は以下のとおりでした。

【併用投与時】
国際共同第Ⅲ相試験(EV-302試験;EV+Pembro群)における腎機能障害(有害事象)の初回発現時期は以下のとおりでした3)

<出典>

  1. 【承認時評価資料】国際共同第Ⅲ相試験(DIR210032)
  2. 【承認時評価資料】国際共同第Ⅲ相試験(DIR240023)
  3. 【承認時評価資料】国際共同第Ⅲ相試験(DIR240207)

製品のご使用にあたっては、最新の電子化された添付文書をご参照ください。

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