末梢性ニューロパチー

末梢性ニューロパチー

Ⅱ.重大な副作用:末梢性ニューロパチー

  1. 概要
  2. 注意事項
  3. 対処法
  4. 発現状況

Key Points

  • 高齢者、あるいは糖尿病などの合併症、転移性尿路上皮癌の脊椎転移、非悪性の脊椎疾患を有する患者では、末梢性ニューロパチー発症のリスクが高まるため注意が必要です1)
  • 末梢性ニューロパチーの重症化を防ぐため、初期症状の早期発見及び早期介入が重要です1)
  • 本剤を用いた国際共同第Ⅲ相試験(EV-301試験;エンホルツマブ ベドチン群)における末梢性ニューロパチーの発現頻度は46.3%であり、その多くは感覚イベントでした2)。また、発現時期中央値は75.0日でした3)

本剤の電子化された添付文書(抜粋)

注意喚起の設定根拠

重大な副作用

EV-301において、末梢性ニューロパチーに関連した副作用として末梢性感覚ニューロパチー(33.8%)、末梢性運動ニューロパチー(3.4%)、筋力低下(2.4%)、歩行障害(1.0%)のほか、末梢性ニューロパチー、錯感覚、末梢性感覚運動ニューロパチー、神経毒性、多発ニューロパチー、異常感覚、感覚鈍麻、灼熱感、神経痛、感覚消失をあわせて46.3%の発現が認められております。

発現機序

  • エンホルツマブ ベドチンの細胞障害性薬物部分であるモノメチルアウリスタチンE(MMAE)がチューブリンの重合を阻害することから、MMAEを含む抗体薬物複合体(ADC)の非特異的な取り込みにより、神経細胞の微小管依存性軸索輸送が障害を受け、「末梢性ニューロパチー」が引き起こされる可能性が報告されています4)

<出典>

  1. Pace A, et al. : Clin J Oncol Nurs. 2021;25(2):E1-E9.(PMID: 33739346)(PEV-00067)
  2. 【承認時評価資料】国際共同第Ⅲ相試験(DIR210071)
  3. 【承認時評価資料】2.7.4.2.1.6.2 末梢性ニューロパチー(DIR200262)
  4. Best RL, et al. Toxicol Appl Pharmacol. 2021;421(1096-0333 (Electronic)):115534. (PEV-00115)

臨床症状

  • 本剤の投与期間中は、患者の状態を十分に観察し、末梢性ニューロパチーの発現又は増悪に十分注意してください。
  • 末梢性ニューロパチーに関する以下のような症状に十分注意してください1)
  • 国際共同第Ⅲ相試験(EV-301試験)において休薬、減量又は中止に至った副作用はいずれも末梢性ニューロパチー(感覚イベント)で多く報告されました2)
  • 早期発見と早期介入により、症状の回復や重症化の予防が期待できます。患者及び介護者に対し、末梢性ニューロパチーの徴候・症状[感覚障害(痛みや灼熱感、しびれ感、ピリピリ感などの異常感覚、感覚喪失など)、運動障害(運動失調、筋力低下など)]について説明し、重症化あるいは不可逆性の障害に至るリスクを軽減するために、症状がみられたら速やかに報告し、早期介入を受けるよう指導してください3)

患者指導

  • 以下の症状があらわれた場合、速やかに受診するよう指導してください1, 3)

注意が必要な患者

  • 臨床試験において重篤な末梢性ニューロパチーの発現が認められています。本剤投与期間中は、患者の状態を十分に観察し、末梢性ニューロパチーの発現又は増悪に十分注意してください。
  • 末梢性ニューロパチーを合併している患者では症状を悪化させるおそれがあるため、本剤投与中は患者の状態を注意深く観察してください。
  • 糖尿病などの合併症のある患者、高齢者、転移性尿路上皮癌の脊椎転移を有する患者、あるいは非悪性の脊椎疾患のある患者では、末梢性ニューロパチー発症のリスクが高まるため注意が必要です3)

参考】

Grade2以上の末梢性ニューロパチーを有する患者は臨床試験から除外されていました4)

診断・鑑別診断

  • 鑑別すべき疾患が多いため、臨床症状、末梢神経伝導検査、髄液所見等を参考に総合的に判断してください1)

<出典>

  1. 厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 末梢神経障害(平成21年5月)
  2. Powles T, et al. : N Engl J Med. 2021;384(12):1125-1135.(PMID: 33577729)(PEV-00057)
  3. Pace A, et al. : Clin J Oncol Nurs. 2021;25(2):E1-E9.(PMID: 33739346)(PEV-00067)
  4. 【承認時評価資料】1.8.4.4 特定の背景を有する患者に関する注意(DIR200258)

対処

  • 本剤投与により末梢性ニューロパチー(末梢性感覚ニューロパチー、末梢性運動ニューロパチー、筋力低下、歩行障害等)があらわれることがありますので、しびれ、筋力低下等が認められた場合は、休薬、減量又は中止等の適切な処置を行ってください。

【本剤の電子化された添付文書】 (抜粋)

  • 対症療法として、向神経ビタミンB群(B1、B6、B12)などが投与されるケースが報告されていますが、十分なエビデンスが確立していないことに留意する必要があります1, 2)
  • 化学療法誘発性の末梢性ニューロパチーによる疼痛に対してはガイドラインではデュロキセチンが推奨されています3)。近年、(末梢性)神経障害性疼痛の適応を有する薬剤(ミロガバリン、プレガバリン等)が承認されています。
  • リハビリテーションによって、末梢性ニューロパチーに起因した機能障害が改善されること、また機械的補助具により、運動障害や疼痛などが軽減されることが報告されています4)

【参考】末梢性ニューロパチーのGrade分類(CTCAE v4.03準拠)

<出典>

  1. 厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 末梢神経障害(平成21年5月)
  2. 日本がんサポーティブケア学会編:がん薬物療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き2017年版, 金原出版, 2017
  3. 日本ペインクリニック学会編:神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン 改訂第2版, 真興交易医書出版部, 2016
  4. Pace A, et al. : Clin J Oncol Nurs. 2021;25(2):E1-E9.(PMID: 33739346)(PEV-00067)

発現頻度

電子化された添付文書

電子添文に記載された副作用発現頻度は以下の通りです。
末梢性ニューロパチー(46.3%)
末梢性感覚ニューロパチー(33.8%)、末梢性運動ニューロパチー(3.4%)、筋力低下(2.4%)、歩行障害(1.0%)等があらわれることがあるので、しびれ、筋力低下等が認められた場合は、減量、休薬又は中止等の適切な処置を行ってください。

臨床試験等における副作用の発現状況

国際共同第Ⅲ相試験(EV-301試験;エンホルツマブ ベドチン群 n=296)における末梢性ニューロパチー*1の発現頻度(2%以上)は以下のとおりでした1)

発現時期

  • 国際共同第Ⅲ相試験(EV-301試験;エンホルツマブ ベドチン群)における末梢性ニューロパチー(有害事象)の初回発現時期は以下のとおりでした2)

<出典>

  1. 【承認時評価資料】国際共同第Ⅲ相試験(DIR210071)
  2. 【承認時評価資料】2.7.4.2.1.6.2 末梢性ニューロパチー(DIR200262)

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