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パドセブ副作用マネジメントガイド

パドセブ副作用マネジメントガイド

「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等は電子化された添付文書をご参照ください。

注目すべき副作用とその対策

(1)皮膚反応及びそう痒症
  • 本剤の標的であるNectin-4が皮膚に発現していることから、本剤の薬理作用に起因して皮膚反応が発現する可能性が示唆されています。
  • 本剤を用いた国際共同第Ⅲ相試験において皮膚反応が高頻度に認められており、EV-301試験(エンホルツマブ ベドチン群)における発現頻度は47.0%、EV-302試験(エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ群)では66.8%でした。皮膚反応は、特に投与開始最初の1サイクルに発現し、発現時期中央値はそれぞれ0.46カ月及び0.49カ月でした。
  • 国内外の臨床試験及び海外製造販売後において、頻度不明ながら皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群;SJS)及び中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis;TEN)等の重症皮膚副作用による死亡例が報告されており、臨床症状の十分な観察をお願いします。
  • 本剤とペムブロリズマブとの併用においては、本剤単独投与時と比較して皮膚反応の副作用発現頻度が増加することがあるため、本剤投与中は患者の状態を十分に観察してください。
  • 初期症状の早期発見のために、看護師、薬剤師及び患者家族の協力が得られるよう指導してください。
  • 皮膚反応の程度に応じて、薬物治療(副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤等)による適切な処置を行うとともに、発疹の対処法として無香料の保湿剤塗布も必要に応じて考慮してください。

詳細は副作用マネジメントガイド p.10をご参照下さい。

(2)高血糖
  • 本剤を用いた国内外の臨床試験において、糖尿病の有無によらず、死亡例を含む高血糖及び糖尿病性ケトアシドーシスの発現が認められていることから、本剤投与開始前の血糖値のコントロール、定期的な血糖値の測定及び臨床症状の十分な観察をお願いします。
  • 高血糖、糖尿病を有する患者(既往歴を含む)や、BMIが30kg/m2以上、HbA1cが6.5%以上の患者では、高血糖の発現又は増悪のリスクを考慮し、本剤投与前に専門医のコンサルテーションを検討してください。
  • 本剤を用いた国際共同第Ⅲ相試験における高血糖の発現頻度は、EV-301試験(エンホルツマブ ベドチン群)で6.4%、EV-302試験(エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ群)で13.0%であり、発現時期中央値はそれぞれ19.0日及び0.72カ月でした。

詳細は副作用マネジメントガイド p.22をご参照下さい。

(3)末梢性ニューロパチー
  • 高齢者、あるいは糖尿病などの合併症、転移性尿路上皮癌の脊椎転移、非悪性の脊椎疾患を有する患者では、末梢性ニューロパチー発症のリスクが高まるため注意が必要です。
  • 末梢性ニューロパチーの重症化を防ぐため、初期症状の早期発見及び早期介入が重要です。
  • 本剤を用いた国際共同第Ⅲ相試験における末梢性ニューロパチーの発現頻度は、EV-301試験(エンホルツマブ ベドチン群)で46.3%、EV-302試験(エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ群)で63.2%であり、その多くは感覚障害でした。また、発現時期中央値はそれぞれ75.0日及び3.29カ月でした。

詳細は副作用マネジメントガイド p.28をご参照下さい。

(4)骨髄抑制
  • 臨床試験において骨髄抑制関連事象の発現が認められていることから、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察してください。

詳細は副作用マネジメントガイド p.33をご参照下さい。

(5)感染症
  • 臨床試験において、死亡例を含む感染症(肺炎、敗血症性ショック、骨盤膿瘍等)の発現が認められていることから、本剤投与中は患者の状態を十分に観察してください。

詳細は副作用マネジメントガイド p.36をご参照下さい。

(6)腎機能障害
  • 臨床試験において腎機能障害の発現が認められていることから、定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察してください。
  • 急性腎障害は、高齢、基礎疾患に慢性腎不全がある、発熱、脱水、食事摂取量の減少、複数の医薬品の服用、薬剤の多量服用、肝不全などがリスク因子として挙げられていますので、これらに該当する患者ではご注意ください。

詳細は副作用マネジメントガイド p.39をご参照下さい。

(7)間質性肺疾患
  • 臨床試験において間質性肺疾患の発現が認められており、呼吸不全により死亡に至った例も報告されておりますので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行ってください。
  • 間質性肺疾患が疑われた場合は、速やかに呼吸器専門医への相談、鑑別診断のための検査等を実施してください。
  • 本剤を用いた国際共同第Ⅲ相試験(EV-302試験;エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ群)における間質性肺疾患の発現頻度は10.2%であり、発現時期中央値は3.94カ月でした。

詳細は副作用マネジメントガイド p.42をご参照下さい。

(8)肝機能障害
  • 臨床試験において肝機能障害の発現が認められておりますので、本剤投与中は肝機能障害の発現に注意してください。
  • 肝疾患を有する患者では重症化する可能性があります。本剤投与前に、全身倦怠感等、肝機能障害の症状の有無を聴取し、肝機能障害を示唆する徴候があれば肝機能検査を実施してください。
  • 過去に薬剤投与により肝機能障害が発現したことがある場合、原因となった薬物を再度服用すると重篤な肝機能障害があらわれる可能性がありますので、本剤投与前に、薬物服用歴を確認することが重要です。また、薬物相互作用についても注意してください。

詳細は副作用マネジメントガイド p.47をご参照下さい。

(9)インフュージョンリアクション(血管外漏出を除く)
  • 臨床試験において事象が認められており、インフュージョンリアクションが起こる可能性がありますので、インフュージョンリアクションに対応できるよう事前に準備をしてください。
    * 注射剤の点滴投与時あるいは投与後24時間以内に生じる急性の過敏性反応の総称。
  • インフュージョンリアクションの既往歴がある患者には、本剤投与の30~60分前に前投薬(鎮痛薬、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤など)を考慮するなどの対応をしてください。

詳細は副作用マネジメントガイド p.51をご参照下さい。

(10)血管外漏出
  • 静脈内投与に際し、本剤が血管外に漏れると、投与部位における皮膚又は軟部組織障害があらわれることがあるので、薬液が血管外に漏れないように注意してください。
  • 投与時には、適切な血管確保部位の選択、確実な穿刺・注入・固定などを行い、血液の逆流や点滴の滴下速度を確認するなど、血管外漏出の回避や早期発見をお願いします。

詳細は副作用マネジメントガイド p.53をご参照下さい。

(11)眼障害(ドライアイ、霧視、角膜障害)
  • 活動性角膜炎又は角膜潰瘍を有する患者では、症状が増悪するリスクが排除できないため、注意が必要です。なお、活動性角膜炎又は角膜潰瘍を有する患者は臨床試験から除外されました。
  • 高齢者ではドライアイ発症のリスクが高いと報告されているため、注意してください。
  • コンタクトレンズ使用者では角膜炎のリスクが高まるため注意するとともに、本剤投与中は眼鏡の使用を検討するよう指導してください。

詳細は副作用マネジメントガイド p.55をご参照下さい。

(12)胃腸障害(下痢、悪心、嘔吐)、食欲減退及び味覚不全
  • 下痢、悪心、嘔吐、食欲減退、味覚不全などが発現し、栄養障害や脱水症状をもたらす可能性があるため、注意して使用してください。
  • 悪心、嘔吐に対しては、個々の症例に応じた予防的対処を考慮してください。

詳細は副作用マネジメントガイド p.58をご参照下さい。

比較的高頻度にみられるその他の副作用とその対策

* 発現頻度20%以上

(1)脱毛症
  • 脱毛は、ボディイメージの変化による心理的影響が強く、患者にとって治療拒否の要因ともなる苦痛の強い副作用です。治療開始に先立ち、患者又はその家族に脱毛が起こる可能性や脱毛時のケア方法などの情報提供を行ってください。

詳細は副作用マネジメントガイド p.62をご参照下さい。

(2)疲労
  • 治療開始に先立ち、患者又はその家族に疲労が起こる可能性があることを伝えてください。

詳細は副作用マネジメントガイド p.64をご参照下さい。

副作用発現頻度(国際共同第Ⅲ相試験)

国際共同第Ⅲ相試験(EV-301試験)におけるパドセブ群の副作用の概要

[副作用]
副作用は278/296例(93.9%)に認められました。主な副作用(発現頻度20%以上)は脱毛症134例(45.3%)、末梢性感覚ニューロパチー100例(33.8%)、そう痒症95例(32.1%)、疲労92例(31.1%)、食欲減退91例(30.7%)、下痢、味覚不全 各72例(24.3%)及び悪心67例(22.6%)でした。

[重篤な副作用]
重篤な副作用は67/296例(22.6%)に認められました。主な重篤な副作用(発現頻度2%以上)は下痢7例(2.4%)及び急性腎障害6例(2.0%)でした。

[投与中止に至った副作用]
投与中止に至った副作用は40/296例(13.5%)に認められました。主な投与中止に至った副作用(発現頻度1%以上)は末梢性感覚ニューロパチー7例(2.4%)、末梢性運動ニューロパチー5例(1.7%)及び斑状丘疹状皮疹4例(1.4%)でした。

[死亡に至った副作用]
死亡に至った副作用は7/296例(2.4%)に認められ、その内訳は多臓器機能不全症候群2例及び肝機能異常、骨盤膿瘍、肺炎、敗血症性ショック、高血糖 各1例でした。

国際共同第Ⅲ相試験(EV-301試験)におけるパドセブ群の副作用の発現例数及び発現頻度一覧


国際共同第Ⅲ相試験(EV-302試験)におけるパドセブ+ペムブロリズマブ群の副作用の概要

[副作用]
副作用は427/440例(97.0%)に認められました。主な副作用(発現頻度20%以上)は末梢性感覚ニューロパチー220例(50.0%)、そう痒症175例(39.8%)、脱毛症146例(33.2%)、斑状丘疹状皮疹144例(32.7%)、疲労129例(29.3%)、下痢121例(27.5%)、食欲減退118例(26.8%)及び悪心89例(20.2%)でした。

[重篤な副作用]
重篤な副作用は122/440例(27.7%)に認められました。主な重篤な副作用(発現頻度1%以上)は急性腎障害、下痢各10例(2.3%)、肺臓炎9例(2.0%)、斑状丘疹状皮疹7例(1.6%)、食欲減退6例(1.4%)及び高血糖、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、免疫性肺疾患 各5例(1.1%)でした。

[いずれかの薬剤の投与中止に至った副作用]
いずれかの薬剤の投与中止に至った副作用は154/440例(35.0%)に認められました。主な投与中止に至った副作用(発現頻度1%以上)は末梢性感覚ニューロパチー47例(10.7%)、肺臓炎9例(2.0%)、斑状丘疹状皮疹7例(1.6%)及び錯感覚、免疫性肺疾患 各6例(1.4%)でした。

[死亡に至った副作用]
死亡に至った副作用は4/440例(0.9%)に認められ、その内訳は無力症、下痢、免疫性肺疾患、多臓器機能不全症候群 各1例でした。

国際共同第Ⅲ相試験(EV-302試験)におけるパドセブ+ペムブロリズマブ群の副作用の発現例数及び発現頻度一覧


 

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