尿閉

尿閉

Ⅱ.重大な副作用:尿閉

  1. 概要
  2. 注意事項
  3. 対処法
  4. 発現状況

Key point

  • ベタニスの電子化された添付文書において、尿閉は重大な副作用とされています。
  • 国内の開発臨床試験では、尿閉は認められませんでした1)
  • 使用成績調査では、安全性解析対象9,795例中30例(0.31%)に尿閉の副作用報告がありました2)
  • 市販直後調査では、収集された副作用は277例343件であり、うち「腎および尿路障害」が65件で、尿閉は31件、排尿困難は12件でした3)。‎‎
  • ベタニス投与による尿閉の発現機序は不明です。
  • 観察を十分に行い、尿閉の症状が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

電子化された添付文書記載内容(抜粋)

注意喚起の設定根拠

重大な副作用

市販後において「尿閉」の発現症例が集積されたことから、「重大な副作用」の項に「尿閉」を記載して注意喚起した。

重要な基本的注意

製造販売後臨床試験(ソリフェナシンで治療中の過活動膀胱患者に対するミラベグロンの併用試験、ミラベグロンとトルテロジン併用投与時の薬物相互作用の検討、ミラベグロンで治療中の過活動膀胱患者に対する抗コリン薬の併用長期投与試験)が終了し、抗コリン剤との併用時における安全性及び有効性が確認されたため、「併用は避けることが望ましい」旨の記載を削除した。ただし、併用する際には尿閉などの副作用の発現に十分注意が必要であるため、その旨を追記した。

発現機序

ミラベグロンによる尿閉の発現機序は不明です。

<出典>

  1. ベタニス錠25mg/ベタニス錠50mg 申請資料概要  2.7.4.7 付録. 表2.7.4.7-2 国内試験併合におけるすべての副作用. PMDA. Available at: https://www.pmda.go.jp/drugs/2011/P201100119/index.html#page=94. Accessed 08JAN2021.
  2. Nozawa Y, Kato D, Tabuchi H, Kuroishi K. Safety and Effectiveness of Mirabegron in Patients with Overactive Bladder in a Real-World Clinical Setting: A Japanese Post-Marketing Study. Low Urin Tract Symptoms. 2018;10(2):122-130. (BE-00605). Available at: https://dx.doi.org/10.1111/luts.12148
  3. ベタニス®錠25mg・50mg 市販直後調査結果のご報告(2012年6月). アステラスメディカルネット. Available at: https://amn.astellas.jp/content/dam/jp/amn/jp/ja/di/be/989/shihangochousa_200019363.pdf.

注意が必要な患者

下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している患者では、それに対する治療(α1遮断薬等)を優先させてください。

定期的な検査の実施

過活動膀胱診療ガイドライン第3版1)において、過活動膀胱の診断・治療を進める際には,一次診療(一般医家),二次診療(専門医)いずれにおいても基本評価としての残尿測定は必須とされています。また過活動膀胱治療薬(抗コリン薬、β作動薬)の共通事項として、以下の患者さんでは定期的な残尿測定の実施が推奨されています(治療開始安全域の上限は100mL)。

≪定期的な残尿測定が推奨される患者≫
  1. 尿排出症状の強い患者(男性で前立腺肥大症を疑う患者、抗コリン作用のある薬剤を含む複数の薬物治療を受けている患者、残尿増加による機能的膀胱容量低下の可能性のある患者など)
  2. 頻尿を訴え、尿排出症状も伴う患者
  3. 前立腺手術の既往のある男性患者
  4. 腹圧性尿失禁手術の既往のある女性患者
  5. 膀胱瘤のある女性患者
  6. 神経疾患のある患者(パーキンソン病、糖尿病、馬尾神経障害など)

<出典>

  1. 過活動膀胱診療ガイドライン第3版:日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会編. p29. 2022.

対処法

  • 観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
  • 厚生労働省が作成した重篤副作用疾患別対応マニュアル「尿閉・排尿困難」1)の中で、一般的な薬剤による尿閉・排尿困難の治療方法について、以下の記載があります。

「薬剤投与による尿閉・排尿困難では、まず排尿状態悪化に関与すると思われる薬剤を中止する。
次いで、尿閉例では尿道からカテーテルを膀胱内へ挿入して、膀胱内に充満した尿を排出する(導尿)。1回の導尿で自排尿可能となることも多いが、尿閉が持続する場合には清潔間歇自己導尿を指導する。
清潔間歇自己導尿は、膀胱容量が300~400mLを超えない範囲で、1日に必要回数だけ、自己あるいは家族により導尿を行う排尿管理方法で、自排尿が回復するまで続行させる。尿道カテーテル留置はできる限り避けるべきではあるが、やむをえない場合は、1~3日程度の留置にとどめる。3日程度の間歇導尿の続行、あるいはカテーテル留置・抜去後も尿閉が改善しない場合、あるいは自排尿が得られても100mL以上の残尿が見られる場合には泌尿器科専門医を受診させる必要がある。
排尿困難が出現した例では、残尿測定を行い残尿が100mL以上みられる場合には泌尿器科専門医を受診させる。」

<出典>

  1. 重篤副作用疾患別対応マニュアル:尿閉・排尿困難(令和3年4月改定 厚生労働省). PMDA. Available at: https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1n01-r03.pdf

発現頻度

電子化された添付文書

電子添文に記載された副作用発現頻度は以下の通りです。

  • 重大な副作用としての尿閉は頻度不明

製造販売承認申請時1)

過活動膀胱患者を対象とした国内全臨床試験(第Ⅱ相試験、第Ⅲ相試験、長期投与試験)のミラベグロン50㎎投与群の併合解析における、尿閉は認められませんでした。なお、「腎および尿路障害」として残尿が7例(0.95%)、排尿困難及び排尿躊躇が各1例(0.14%)に認められました。安全性解析対象例数は739例でした。

使用成績調査2)

ベタニスの使用成績調査(調査実施期間2012年4月~2014年7月)では、ベタニス投与後12週間の観察期間において、安全性解析対象9,795例中、尿閉30例(0.31%)、排尿困難43例 (0.44%)、残尿量増加70例(0.71%)が報告されました。

市販直後調査報告3)

ベタニスの市販直後調査(集計期間:2011/09/16~2012/03/30)実施期間中に収集された副作用は277例343件であり、うち「腎および尿路障害」が65件で、尿閉は31件、排尿困難は12件でした。また、尿閉の26件、排尿困難の1件が重篤でした(重篤な副作用は全体で63例82件)。

発現時期

市販直後調査報告3)

市販直後調査において、尿閉・排尿困難は42例に認められましたが、投与開始から事象発現までの日数は、1週間以内が12例、1~2週間以内が6例、2週間~1ヵ月以内が8例、1ヵ月超が4例、不明12例であり、多くの症例がミラベグロン投与開始から1ヵ月以内に発現していました。

転帰・転帰までの期間

市販直後調査報告3)

市販直後調査において、尿閉・排尿困難は42例に認められましたが、転帰は回復・軽快が35例、未回復が2例(いずれもその後の転帰を確認できず)、不明が5例でした。

<出典>

  1. ベタニス錠25mg/ベタニス錠50mg 申請資料概要  2.7.4.7 付録. 表2.7.4.7-2 国内試験併合におけるすべての副作用. PMDA. Available at: https://www.pmda.go.jp/drugs/2011/P201100119/80012600_22300AMX00592_K103_1.pdf#page=94. Accessed 08JAN2021.
  2. Nozawa Y, Kato D, Tabuchi H, Kuroishi K. Safety and Effectiveness of Mirabegron in Patients with Overactive Bladder in a Real-World Clinical Setting: A Japanese Post-Marketing Study. Low Urin Tract Symptoms. 2018;10(2):122-130. (BE-00605). Available at: https://dx.doi.org/10.1111/luts.12148.
  3. ベタニス®錠25mg・50mg 市販直後調査結果のご報告(2012年6月). アステラスメディカルネット. Available at: https://amn.astellas.jp/content/dam/jp/amn/jp/ja/di/be/989/shihangochousa_200019363.pdf.
  4. Khullar V, Amarenco G, Angulo JC, et al. Efficacy and tolerability of mirabegron, a beta(3)-adrenoceptor agonist, in patients with overactive bladder: results from a randomised European-Australian phase 3 trial. Eur Urol. 2013;63(2):283-95. (BE-00102). Available at: https://dx.doi.org/10.1016/j.eururo.2012.10.016.
  5. Nitti VW, Auerbach S, Martin N, Calhoun A, Lee M, Herschorn S. Results of a randomized phase III trial of mirabegron in patients with overactive bladder. J Urol. 2013;189(4):1388-95. (BE-00133). Available at: https://dx.doi.org/10.1016/j.juro.2012.10.017.
  6. Herschorn S, Barkin J, Castro-Diaz D, et al. A phase III, randomized, double-blind, parallel-group, placebo-controlled, multicentre study to assess the efficacy and safety of the beta(3) adrenoceptor agonist, mirabegron, in patients with symptoms of overactive bladder. Urology. 2013;82(2):313-20. (BE-00161). Available at: https://dx.doi.org/10.1016/j.urology.2013.02.077.

製品のご使用にあたっては、最新の電子化された添付文書をご参照ください。

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