プログラフ®(一般名:タクロリムス水和物)は日本で開発された免疫抑制剤で、様々な移植領域や自己免疫疾患に対して使用されています。免疫に関与するT細胞内において脱リン酸化酵素カルシニューリンの活性を阻害し、免疫抑制作用を示します。
1984年に日本の土壌から分離した放線菌 Streptomyces tsukubaensis の代謝産物として発見され、日本では1993年に「肝移植における拒絶反応の抑制」の効能又は効果を取得しました。その後、各臓器移植、造血幹細胞移植に加え、自己免疫疾患に対する有効性も見出され、現在では、重症筋無力症、関節リウマチ、ループス腎炎、潰瘍性大腸炎、多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎に対する効能又は効果も取得しています。
主な副作用・臨床検査値異常には、腎機能検査値異常、消化管障害、耐糖能異常などがあります。