痙攣発作

痙攣発作

Ⅱ.重大な副作用:痙攣発作

  1. 概要
  2. 注意事項
  3. 対処法
  4. 発現状況

Key point

  • イクスタンジの電子化された添付文書の重大な副作用「痙攣発作」は、国内第Ⅰ/Ⅱ相試験、海外第Ⅲ相試験及び国際共同第Ⅲ相試験*において、 0.2%に認められています1)
  • 本剤投与中に痙攣発作が出現した場合は本剤の投与を中止し、痙攣発作に対する適切な処置を行ってください。
  • 痙攣発作を起こしやすい以下の患者さんでは、本剤投与により痙攣発作を誘発する可能性があるので、慎重に投与してください
    • てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者さん
    • 脳損傷、脳卒中等の合併又はこれらの既往歴のある患者さん
    • 痙攣発作の閾値を低下させる(痙攣発作を誘発する可能性のある)薬剤を投与中の患者さん
  • 痙攣発作があらわれることがあるので、本剤投与中の患者さんには自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意するよう、ご指導ください。
  • 痙攣発作が認められた場合、すみやかに医療機関に相談するよう、患者さんにご指導ください。

*国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(去勢抵抗性前立腺癌患者47例)の更新データ
 海外第Ⅲ相試験(ドセタキセル治療歴を有する去勢抵抗性前立腺癌患者850例)の更新データ
 海外第Ⅲ相試験(化学療法歴のない非転移性去勢抵抗性前立腺癌患者930例)
 国際共同第Ⅲ相試験(化学療法歴のない去勢抵抗性前立腺癌患者871例)
 国際共同第Ⅲ相試験(遠隔転移を有する前立腺癌患者572例)

電子化された添付文書記載内容(抜粋)

注意喚起の設定根拠

重大な副作用

開発時臨床試験において、本剤と関連性が否定できない痙攣発作が報告されました。
本剤及び活性代謝物(N-脱メチル体)は非臨床試験において痙攣誘発性が認められています2)
本剤が痙攣発作の閾値を低下させる作用機序は明らかになっていませんが、非臨床試験において、 本剤及び N-脱メチル体がGABA開口性クロライドチャネルに結合し、活性化を抑制することが示されており、この作用が関係している可能性があります。

<出典>

  1. イクスタンジ電子化された添付文書
  2. Foster, W.R. et al.: The Prostate.(71): 480, 2011

臨床症状

主な症状として、意識障害、筋肉のこわばり、つっぱりなどがあり、次のような症状があらわれることがあります。

  • 意識障害では気を失うこと(失神)もあります。
  • 筋肉のこわばりやつっぱりは全身に起こる場合と、手、足、顔面など部分的に起こる場合があります。
  • 通常、けいれん発作は数分以内で治まります。

患者指導

痙攣発作がおこる可能性があることをお伝えし、症状が認められたらただちに主治医、看護師または薬剤師に相談するようご指導ください。
また、痙攣発作が発現した場合の対処法および注意事項もあわせてお伝えください。

イクスタンジ錠の治療を始める方へ」13ページ

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注意が必要な患者

以下の痙攣発作を起こしやすい患者さんでは、本剤投与により痙攣発作を誘発する可能性があるので、慎重に投与してください。

  • てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者さん
  • 脳損傷、脳卒中等の合併又はこれらの既往歴のある患者さん
  • 痙攣発作の閾値を低下させる(痙攣発作を誘発する可能性のある)薬剤*を投与中の患者さん

痙攣発作の閾値を低下させる薬剤*との併用には注意してください。

対処法1-4)

本剤投与中に痙攣発作が出現した場合は本剤の投与を直ちに中止し、痙攣発作に対する適切な処置を行ってください。
前立腺癌進行に伴う脳転移など本剤以外の原因による痙攣発作の場合も考えられるので、痙攣発作の原因検索を行い、原因が特定された場合は適切な処置を行ってください。
※参考:重篤副作用疾患別対応マニュアル 痙攣・てんかん 平成21年5月

<出典>

  1. 厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 痙攣・てんかん, 2009
  2. 宮上光祐: Modern Physician 27(2): 256, 2007
  3. 秋山久尚:治療 86(増刊): 965-969, 2004
  4. イクスタンジ電子化された添付文書

発現頻度

電子化された添付文書

重大な副作用「痙攣発作」は、国内第Ⅰ/Ⅱ相試験、海外第Ⅲ相試験及び国際共同第Ⅲ相試験*において、 0.2%に認められています1)
  * 国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(去勢抵抗性前立腺癌患者47例)の更新データ
    海外第Ⅲ相試験(ドセタキセル治療歴を有する去勢抵抗性前立腺癌患者850例)の更新データ
    海外第Ⅲ相試験(化学療法歴のない非転移性去勢抵抗性前立腺癌患者930例)
    国際共同第Ⅲ相試験(化学療法歴のない去勢抵抗性前立腺癌患者871例)
    国際共同第Ⅲ相試験(遠隔転移を有する前立腺癌患者572例)

第Ⅲ相臨床試験(海外データ、日本人を含む)

第Ⅲ相臨床試験2-11)における痙攣発作の発現頻度(有害事象)

国際共同第Ⅲ相試験(ENZAMET試験)は、対照薬が国内未承認又は承認外を含む効能又は効果、用法及び用量で行われていますが、承認時に評価された資料であるため掲載します。

長期特定使用成績調査

長期特定使用成績調査12)において、痙攣発作は1006例中2例(0.20%)に認められました。

発現患者一覧(発現時期・転帰 他)

紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、すべての症例が同様な結果を示すわけではありません。

第Ⅲ相臨床試験(海外データ、日本人を含む)13)

市販直後調査14)

市販直後調査(調査実施期間:2014年5月23日~2014年11月22日)において、副作用 1172 件(うち重篤 416 件)のうち、痙攣は 9 例に 9 件(うち重篤 9 件)みられました。
9例中2例に痙攣発作のリスクとして、脳卒中の既往や慢性硬膜下血腫の合併が認められました。また、9例中5例で痙攣閾値を低下させる薬剤が併用されていました。市販直後調査中に転帰が死亡の痙攣発作が1例報告されましたが、痙攣発作4日前に疲労感のため本剤は中止されていました。

長期特定使用成績調査

長期特定使用成績調査12)は、2014年12月~2018年11月までに調査票を収集した1012例において、痙攣発作の副作用は、安全性解析対象症例1006例中2例(0.20%)に認められました。

症例経過15)

<出典>

  1. イクスタンジ電子化された添付文書
  2. 承認時評価資料(前立腺癌患者・国際共同第Ⅲ相試験)(DIR190274, 230034)
  3. Armstrong AJ et al.: J Clin Oncol 2019; 37(32): 2974-2986
    (本試験はアステラス製薬の支援で行われた。著者には同社の社員が含まれる。)
  4. 承認時評価資料(前立腺癌患者・海外第Ⅲ相試験)(DIR190275, 230035)
  5. Davis ID et al.: N Engl J Med 2019; 381(2): 121-131
    (本試験はアステラス製薬の支援で行われた。)
  6. 社内報告書(前立腺癌患者・海外第Ⅲ相試験)(DIR180517, 230036)
  7. Hussain M et al.: N Engl J Med 2018; 378(26): 2465-2474
    (本試験はアステラス製薬の支援で行われた。著者には同社の社員が含まれる。)
  8. 添付文書改訂時調査結果報告書(前立腺癌患者・国際共同第Ⅲ相試験:試験結果の概略等に関するまとめ)(DIR140152)
  9. Beer TM et al.: N Engl J Med 2014; 371(5): 424-433
    (本試験はアステラス製薬の支援で行われた。著者には同社の社員が含まれる。)
  10. 承認時評価資料(前立腺癌患者・海外第Ⅲ相二重盲検試験)(DIR140031, 140073, 230037)
  11. Scher HI et al.: N Engl J Med 2012; 367(13): 1187-1197
    (本試験はアステラス製薬の支援で行われた。)
  12. 飯野裕子 他: 泌尿器外科 33(4): 417-433, 2020
    (本論文の著者はすべてアステラス製薬の社員である。)
  13. 社内報告書:イクスタンジの痙攣発作の発現について(RMP資材)(DIR230039)
  14. イクスタンジカプセル 市販直後調査結果のご報告〔去勢抵抗性前立腺癌〕〔調査実施期間: 2014/5/23~2014/11/22〕
  15. イクスタンジカプセル40mg 新医薬品の「使用上の注意」の解説 2014年12月改訂

製品のご使用にあたっては、最新の電子化された添付文書をご参照ください。

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