糖尿病の診断が付いたことに対して、どのように感じておられますか?
糖尿病の診断が付いたことに対して、どのように感じておられますか?
よく聞く病気だけど、あまり分からないし、症状も無いから大した病気ではないと思っています。
おっしゃる通り、症状が無いとご自身が糖尿病であることもピンとこないですよね。同じように思われる患者さんも多いですよ。ただし、きちんと治療を継続し、血糖を管理しなければ、将来的に脳梗塞や心筋梗塞、人工透析が必要になる腎症などの合併症が出てきて、生活の質が非常に悪くなることがあります。
糖尿病の合併症について、これまでに聞いたことはあるでしょうか?
いえ、まったく知らないです。
先程挙げた合併症はいずれも、血液中の糖の濃度である血糖値が何年間も高いままになっていることにより、血管が傷ついたり、詰まったりして、血流が滞ることや、高血糖による細胞内代謝異常が原因で発症します1)。高血糖が原因で血管とそれにつながる臓器が障害されると、糖尿病に関連するさまざまな合併症が生じます。
これらの合併症はかなり進行するまで症状が出ないこともあり、気づかないうちに合併症が進むと、命にかかわる重い状態になることもあります。
怖い病気なのですね。でも、みんな合併症になるわけではないですよね。
そうですね。食事や運動などの生活習慣に気を付けていれば、予防することができます。そのためには治療を継続していくことが必要なので、一緒にがんばっていきましょう。
分かりました。ただ、糖尿病について知らないことが多すぎて、何からがんばればいいか…
そうですね。Aさんはまず、糖尿病について知っていただく必要があります。糖尿病について学べる糖尿病教室があるので、2週間に1度の外来受診に合わせて参加してみるのはどうでしょう?
たとえばどんなことを教えていただけるのですか。
まずは食事内容を見直していただき、Aさんが治療を続けられるアドバイスをできればと思っています。たとえば、オリーブオイル、果物、野菜を豊富に使った地中海食について、Aさんは聞いたことがあるでしょうか?
テレビ番組でよく聞きますね。
そうですよね。このような食事は糖尿病の食事療法で効果的といわれています。約2万人の患者さんを対象に、糖尿病になるかどうかを調べた研究では、地中海式食事法を続けることで糖尿病の発症が3割低減したことが報告されています2)。
効果があるのですね。
食事内容の見直しは簡単ではないかもしれませんが、糖尿病教室は、糖尿病をお持ちの方のための食事について知ったり、自分に合った治療法を考えたりする、良い機会になりますよ。私たちもサポートしますので、Aさん、できることから治療をがんばってみませんか?
はい。これ以上悪くならないようにするために、糖尿病について知って治療をがんばっていきたいです。
POINT!
1)糖尿病情報センター 糖尿病の慢性合併症について知っておきましょう(https://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/060/020/02.html)(2024年11月1日閲覧)
2)Ahmad S., et al.: JAMA Netw Open, 2020, 3(11), e2025466.
「はい」をクリックすると外部サイトへ移動します。
当該外部サイトが定める利用条件に従って、会員登録などの手続が必要となる場合は、ご自身でご対応いただき、閲覧ください。
会員になると以下のコンテンツ、サイト機能をご利用いただけます。