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骨髄抑制

骨髄抑制

Ⅱ.重大な副作用:骨髄抑制

  1. 概要
  2. 対処法
  3. 発現状況

Key point

  • ゾスパタの電子化された添付文書において、骨髄抑制は「重大な副作用」に該当します。
  • ゾスパタの投与により、血小板減少、貧血、好中球減少、発熱性好中球減少症、白血球減少等の骨髄抑制があらわれることがあります。投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察してください。異常が認められた場合は投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

電子化された添付文書記載内容(抜粋)

注意喚起の設定根拠1)

重大な副作用

国際共同第Ⅲ相試験[CL-0301]において、骨髄抑制の有害事象の発現割合は79.7%(196/246例)であり、76.4%(188/246例)はグレード3以上、37.4%(92/246例)は重篤な有害事象として報告されています。また、骨髄抑制の有害事象として、貧血(47.2%、116/246例)、発熱性好中球減少症(46.7%、115/246例)、血小板減少(47.6%、117/246例)、好中球減少(30.5%、75/246例)、白血球減少(14.6%、36/246例)等が報告されています。以上のように、臨床試験において本剤と骨髄抑制との関連性が認められたことから、疾患の重篤性及び治療介入の必要性があることを考慮して、設定しました。

重要な基本的注意

「重大な副作用」を防止する上で、ゾスパタの投与前及び投与中の定期的な検査や適切な管理は、重要な注意事項と考え設定しました。

発現機序2)

ラット及びイヌを対象としたゾスパタ反復投与試験において、リンパ・造血系に対する種々の抑制的な影響が観察されました。これらはゾスパタによるFLT3チロシンキナーゼ活性阻害に関連する可能性が考えられます。

<出典>

  1. 新医薬品の「使用上の注意」の解説
  2. ゾスパタ錠 申請資料概要 2.6.6.9.2 リンパ・造血系への影響について. PMDA.
    https://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20181016002/800126000_23000AMX00824_J100_1.pdf#page=26

対処法

市販直後調査(集計期間:製造販売承認取得2018年9月21日~2019年6月2日)1)
市販直後調査における骨髄抑制に関連する副作用全90件のうち、62件の骨髄抑制関連重篤副作用に対して取られた本剤の処置の内訳は、用量変更なしで継続:27件、減量:9件、休薬:14件、中止:8件、非該当:4件でした。‎
一般使用成績調査(全例調査 [集計対象期間:2018年12月3日~2022年1月31日])2)
一般使用成績調査における骨髄抑制に関連する副作用(184例)に対する本剤の処置は、継続88例、減量27例、休薬48例、中止20例、有害事象発現前に終了1例でした。
本剤の休薬に至った副作用は、血小板数減少17例、骨髄抑制9例、白血球数減少8例、発熱性好中球減少症及び好中球数減少各7例、好中球減少症5例、血球減少症2例、貧血、白血球減少症及び血小板減少症 各1例でした。
また、本剤の中止に至った副作用は、骨髄抑制7例、発熱性好中球減少症6例、血小板数減少5例、好中球数減少4例、貧血、好中球減少症及び白血球数減少各2例、血小板減少症1例でした。

<出典>

  1. ゾスパタ錠40mg 市販直後調査結果のご報告. アステラスメディカルネット.
    https://amn.astellas.jp/content/dam/jp/amn/jp/ja/di/xsp/1048/shihangochousa_200027359.pdf
  2. ゾスパタ錠 一般使用成績調査(全例調査 [集計対象期間:2018年12月3日~2022年1月31日]). アステラスメディカルネット.
    https://amn.astellas.jp/content/dam/jp/amn/jp/ja/di/xsp/1048/shiyoseisekichousa_200028468.pdf

発現頻度

電子化された添付文書

電子添文に記載された副作用発現頻度は以下の通りです。
11.1 重大な副作用
11.1.1 骨髄抑制
  血小板減少(27.2%)、貧血(23.2%)、好中球減少(18.7%)、発熱性好中球減少症(15.9%)、白血球減少(12.6%)等の骨髄抑制があらわれることがある。

一般使用成績調査(全例調査 [集計対象期間:2018年12月3日~2022年1月31日])2)
「骨髄抑制」に関連する副作用の発現割合は49.73%(184/370例)であり、このうち、重篤な副作用の発現割合は32.43%(120/370例)、グレード3以上が44.05%(163/370例)でした。

発現時期

市販直後調査(集計期間:製造販売承認取得2018年9月21日~2019年6月2日)1)
市販直後調査における骨髄抑制に関連する副作用全90件のうち発現時期不明であった42件を除く48件の発現時期は、第1週13件(重篤12件)、第2週7件(全て重篤)、第3週6件(全て重篤)、第4週5件(重篤4件)、第5週4件(重篤2件)、第6週7件(重篤3件)、第7週1件、第11週1件(重篤)、第12週1件(重篤)、第15週以降3件(重篤2件)でした。‎
一般使用成績調査(全例調査 [集計対象期間:2018年12月3日~2022年1月31日])‎2)
一般使用成績調査における骨髄抑制に関連する副作用の発現までの日数は、中央値で10.0(1~155)日でした。

転帰・転帰までの期間

市販直後調査(集計期間:製造販売承認取得2018年9月21日~2019年6月2日)1)
市販直後調査における骨髄抑制に関連する副作用全90件の転帰は、回復22件(重篤17件)、軽快12件(全て重篤)、未回復32件(重篤22件)、死亡4件(全て重篤)、不明10件(重篤2件)、未記載10件(重篤5件)でした。‎
一般使用成績調査(全例調査 [集計対象期間:2018年12月3日~2022年1月31日])‎2)
一般使用成績調査における骨髄抑制に関連する副作用の転帰は、回復77例、軽快37例、未回復65例、後遺症あり1例及び死亡2例(骨髄抑制及び血小板減少症が各1例)であり、回復/軽快までの日数は中央値で31.0(3~374)日でした。

<出典>

  1. ゾスパタ錠40mg 市販直後調査結果のご報告. アステラスメディカルネット.
    https://amn.astellas.jp/content/dam/jp/amn/jp/ja/di/xsp/1048/shihangochousa_200027359.pdf
  2. ゾスパタ錠 一般使用成績調査(全例調査 [集計対象期間:2018年12月3日~2022年1月31日]). アステラスメディカルネット.
    https://amn.astellas.jp/content/dam/jp/amn/jp/ja/di/xsp/1048/shiyoseisekichousa_200028468.pdf

製品のご使用にあたっては、最新の電子化された添付文書をご参照ください。

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