ELNでは、CR達成患者の予後層別化におけるMRD評価の役割をふまえ、2017年にMRDを伴わない完全寛解(CRMRD-)という新たな奏効基準を設け、現在はCRMRD–、 CRhMRD–、CRiMRD–に分類を拡大している4)。
81文献、11,151例のAML患者を対象としたメタ解析8)によると、MRD陽性に対するMRD陰性の平均ハザード比は全生存期間(OS)で0.36(95%ベイズCI 0.33-0.39)、無病生存期間(DFS)で0.37(95%ベイズCI 0.34-0.40)であった。また、MRD陰性の達成は、FISH法を除くMRD測定方法[MFC、PCR(WT1)、PCR(遺伝子)、NGS、その他]、MRD評価時点(導入療法、地固め療法中、地固め療法後)、AMLサブグループ(CBF-AMLまたは非CBF-AML)によらず優れたDFSおよびOSと関連していた8)。なお、本解析に含まれる文献のほとんどで強力な寛解導入化学療法後にMRD評価が行われていたが8)、高齢AML患者を対象としたPETHEMA-FLUGAZA試験9)では、強力な化学療法に準じた治療またはメチル化阻害剤投与後のMRD陰性が予後と関連する可能性が示唆されている。
● CR(不完全なCR含む)達成例におけるMRD残存による生存アウトカムへの影響
48文献、7,146例を対象に、MRDの閾値と血液学的奏効(CRまたは不完全なCR)の情報をもとにMRDによる予後への影響を検討したメタ解析10)では、MRD陰性例およびMRD陽性例の推定5年OS率が65%および30%、推定5年DFS率が63%および16%であり、いずれもMRD陰性例で良好であった(図2)。CR達成例に限定した解析でも同様の結果であり、さらに、MRD陰性の達成は、MRDの閾値や解析感度に関係なく、良好なDFSおよびOSと関連していた(階層ベイズ解析)10)。なお、MRD陰性による予後への影響は、MRD閾値が0.1%未満の研究において最も良好であった。このことから、CR達成例においては低いMRD閾値を用いることでより精度の高い予後の識別が可能となることが示唆された。