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エキスパート解説コンテンツ

高齢の再発ALL患者の治療課題について

近年、再発及び難治性ALLの領域では、複数の薬剤や治療法の登場により治療選択肢が広がっています。しかし、65歳以上の高齢者や移植後再発例など、移植が適応にならないALL患者への治療薬はまだ開発段階です。本コンテンツでは特に高齢の再発ALL患者の治療課題について、Ph陰性ALLにフォーカスして解説します。

ご監修:金沢医科大学 血液免疫内科学教室 臨床教授(医局長・病棟医長)
血液センター 部長
水田 秀一 先生
監修者の所属・役職は2024年3月時点の情報です

(2024年7月作成)

高齢Ph陰性ALL患者に対する治療戦略

一般的に、ALLの再寛解導入療法としては、hyper-CVADなどALLの初回導入療法に用いられる多剤併用化学療法の中から、初回治療で用いられていない薬剤が多く含まれるレジメンを選択するのが良いとされています1)。しかし、高齢の再発ALLにおいては様々な課題があると考えられます。
日本血液学会の造血器腫瘍診療ガイドラインには、高齢者のPh陰性ALLに対する標準的な治療法は開発段階であると記載されています。65歳以上の高齢者は、若年者に比べ複数の既往歴および合併症を有している割合が高く、化学療法に必要な臓器機能が保たれていない場合も少なくありません1)

1)日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版. 東京: 金原出版; 2023

2023年版の造血器腫瘍診療ガイドラインでは、B-ALL再発例において、CD19が陽性であればブリナツモマブが、CD22が陽性であればイノツズマブ オゾガマイシンの使用がカテゴリー1で推奨されています。

再発又は難治性のPh陰性ALL患者に対する新たな治療選択肢

ブリナツモマブ(製品名:ビーリンサイト)は、悪性B細胞にT細胞を誘導することで抗腫瘍効果を発揮するBiTE®(Bispecific T-cell engager: 二重特異性T細胞誘導)抗体製剤です。

「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等は、電子化された添付文書をご参照ください。

今回は、高齢患者を対象に含むビーリンサイトの海外第Ⅲ相臨床試験(TOWER試験)の成績についてご紹介します。
TOWER試験は、成人の再発又は難治性のPh陰性B細胞性ALL患者を対象とした、ビーリンサイト単剤投与と標準化学療法の第Ⅲ相比較試験です。
対象患者405例を、ビーリンサイト群又は標準化学療法群に2:1の比率でランダムに割り付け、各群ともに寛解導入療法として2サイクル、地固め療法として最大3サイクル、維持療法として最大12ヵ月まで投与しました。主要評価項目はOSでした。

ビーリンサイト群には芽球率が50%以上の患者74.2%、本試験で受ける救援療法が2回目以降の患者57.9%、難治の患者42.4%、同種HSCT実施歴がある患者34.7%、初回寛解期間12ヵ月未満で再発の患者28.0%が含まれていました。また、ビーリンサイト群では18歳から80歳の患者が登録され、65歳以上の患者は12.2%でした。

主要評価項目であるOS中央値は、ビーリンサイト群で7.7ヵ月、標準化学療法群で4.0ヵ月でした。
投与群間のハザード比は0.71であり、ビーリンサイト群は標準化学療法群に比べて主要評価項目であるOSを有意に延長しました。
また、移植実施時点を打ち切りとした場合のOS中央値は、ビーリンサイト群で6.9ヵ月、標準化学療法群で3.9ヵ月であり、ビーリンサイト群は標準化学療法群に比べて有意にOSを延長しました。
このことは、全体のOS延長効果と同様、移植の影響を除外してもビーリンサイトはOSを延長することができたということになります。

安全性

有害事象発現率は、ビーリンサイト群で98.5%(267例中263例)、標準化学療法群で99.1%(109例中108例)でした。主な有害事象として、ビーリンサイト群で発熱が59.6%(159例)、頭痛が29.6%(79例)などでした。

重篤な有害事象は、ビーリンサイト群で62.9%(267例中168例)、標準化学療法群で45.0%(109例中49例)で報告されました。主な事象は、ビーリンサイト群で発熱性好中球減少症24例及び発熱16例などでした。
投与中止に至った有害事象は、ビーリンサイト群で15.7%(267例中42例)、標準化学療法群で9.2%(109例中10例)で報告されました。主な事象として、ビーリンサイト群で気管支肺アスペルギルス症、真菌性敗血症、貪食細胞性組織球症、呼吸不全及び敗血症性ショックが各2例に認められました。
治験薬投与期間中及び投与終了後30日以内の死亡は、ビーリンサイト群で71例、標準化学療法群で22例に報告されました。主な死因は、ビーリンサイト群で疾患進行23例、敗血症/疾患進行及び敗血症性ショック各5例などでした。

新規抗体製剤の登場により、ALL治療は新たな時代に進みつつあります。ビーリンサイトは、再発又は難治性のPh陰性ALL患者に対しても治療選択肢のひとつとなる可能性があると考えます。

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