メディカルアフェアーズ情報
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ALLの再発には微小残存病変(MRD)が関わっていると考えられています。本コンテンツでは、MRDと再発リスクの関係やMRD細胞の特徴について、自治医科大学 分子病態治療研究センター 客員教授/帝京科学大学 医学教育センター 教授 古川 雄祐 先生ご監修のもとご紹介します。ぜひご覧ください。
ご監修:自治医科大学 分子病態治療研究センター 客員教授
帝京科学大学 医学教育センター 教授
古川 雄祐 先生
監修者の所属・役職は2023年12月時点の情報です
(2024年3月作成)
近年、ALLの重要な予後因子として微小残存病変(MRD)が挙げられるようになりました。一般に、MRDはある閾値で二分化され、陽性群と陰性群の比較が行われています。しかし最近、MRDのデータを連続変数として解析した結果が報告されました1)。この研究では、小児ALLにおいて、免疫表現型、染色体分析、FISH、および遺伝子変異による遺伝子型リスク分類別に、寛解導入療法後のMRDデータを対数変換した連続変数として総合的に解析されました。
その結果、各遺伝子型リスク群で、MRDの低下により再発リスクは減少しましたが、再発の絶対的なリスクは各遺伝子型リスク群で異なっていました。同じMRDデータ(0.01-0.1%)でも、高リスク群では5年再発リスクが40%、低リスク群では12%でした。遺伝子型リスクが高い群では、MRDが低値(0-0.01%)であっても5年再発リスクは43%であり、再発には注意が必要であることが示唆されました。
1) J Clin Oncol. 2018 Jan 1;36(1):34-43.
再発の原因となる細胞は白血病幹細胞と考えられ、「自己複製し、癌幹細胞の典型的な特徴である腫瘍開始能を示すもの」と定義されます2)。最も重要な特徴として、化学療法に対する抵抗性が挙げられます2)。再発の原因となる細胞は化学療法後も生存し、最終的に化学療法抵抗性の再発を引き起こします2)。この化学療法に対する抵抗性は、細胞周期の停止と密接に関連していることがわかっています2)。細胞周期が停止した細胞は、長期間にわたって非常にゆっくりと分裂し、化学療法、特に細胞周期依存性の抗がん剤に耐え、MRDとして存続し再発を引き起こします2)。実際、ALLの化学療法後の患者において、非分裂性腫瘍細胞の頻度増加が報告されています2)。
こうした特徴はALLモデルマウスを使った研究によって裏付けられています。マウスにALL細胞を移植後、2週間、シクロフォスファミドとビンクリスチンで治療した場合、腫瘍細胞が大きく減るものの、完全に根絶はされず、MRDとして検出されました2)。
MRD細胞が持つ遺伝子的な特徴を調べるため、増殖依存性色素であるCFSEによりマウスモデルにおいて同定されたlabel-retaining cells(LRC)とMRD細胞の特徴について検討した結果を紹介します2)。
LRCは、長期の細胞周期の停止・治療抵抗性・幹細胞性という特性を持ち、MRD細胞と遺伝子の発現プロファイルが類似していました2)。
このLRCにおける遺伝子発現の内訳をみると、細胞周期関連遺伝子の発現が低下している一方で、細胞接着に関する遺伝子の発現は増加しており、MRD細胞が骨髄間質細胞との接着を介して薬剤耐性を獲得している可能性も示唆されました2)。
2) Cancer Cell. 2016 Dec 12;30(6):849-862.
今回は、MRDとALL再発リスクの関係やMRD細胞の特徴についてご紹介しました。MRD細胞は細胞周期の停止や骨髄間質細胞との接着などによって化学療法に耐性を持ち、再発へとつながります。再発・難治性ALLの新たな治療選択肢として、近年ではがん免疫療法が注目を集めています。
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