- エベレンゾ投与中に血圧が上昇する場合があります。
- 投与中は血圧の推移に十分注意し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
エベレンゾ投与により血圧が上昇する機序は、十分に解明されていません。
しかし、日本透析医学会の「腎性貧血治療のガイドライン2015年版」では、「貧血是正と高血圧発症の機序は、貧血改善に伴う組織低酸素濃度の是正から拡張していた末梢血管が収縮すること、血液粘度の亢進などによる末梢血管抵抗の増加に対する心拍出量の反応性低下の欠如ないしは不十分であることとが主因と考えられる」と説明されており1)、エベレンゾも同様の機序で血圧が上昇する可能性が否定できません2)。
血圧を測定し、その推移に注意してください。
高血圧症を合併する患者
エベレンゾ投与により発症した高血圧について、確立した対処法はありません。異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
電子添文に記載された副作用発現割合は以下のとおりです。
11. 副作用
11.2 その他の副作用
血管障害:高血圧 (1%以上)
透析期及び保存期の腎性貧血患者を対象とした国内開発臨床試験における、高血圧及び血圧上昇の発現割合は以下のとおりでした1)。
透析期: 高血圧 1.8%(8/444例)、血圧上昇 0.2%(1/444例)
保存期: 高血圧 2.9%(11/380例)、血圧上昇 0.0%(0/380例)
透析期:
国内第3相試験併合で認められた高血圧の有害事象の発現時期は、以下のとおりでした2)。
保存期:
国内第2相及び3相試験の24週投与データ併合における、高血圧の有害事象の発現時期は以下のとおりでした3)。
また、国内第3相比較試験(52週間)のエベレンゾ投与群における、高血圧の有害事象の発現時期は以下のとおりでした4)。
市販直後調査における結果は以下のとおりでした。
透析期 (調査期間:2019年11月20日~2020年5月19日)5)
報告された高血圧関連事象注1)14例14件注2)の転帰は、回復5件、軽快4件、未回復1件、不明4件でした。
保存期 (調査期間:2020年11月27日~2021年5月26日)6)
原疾患又は使用理由が「保存期CKDに伴う腎性貧血」の集団において報告された高血圧関連事象注1)8例8件 注 3)の転帰は、回復1件、軽快2件、不明5件でした。
注1)MedDRA標準検索式(SMQ「高血圧(狭域)」)に該当する事象
注2)血圧上昇8件、高血圧6件
注3)血圧上昇4件、高血圧3件、収縮期血圧上昇1件
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