感染症〈効能共通〉

感染症〈効能共通〉

Ⅱ.重大な副作用:感染症〈効能共通〉

  1. 概要
  2. 注意事項
  3. 発現状況

Key point

  • グラセプターの電子化された添付文書には、「1. 警告」に感染症の記載があります。致死的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び本剤についての十分な知識と経験を有する医師が使用してください。
  • グラセプターの電子化された添付文書には、「11.1 重大な副作用」に感染症の記載があります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
  • グラセプターの電子化された添付文書には、「8. 重要な基本的注意」に感染症に関する記載があります。
  • グラセプターの電子化された添付文書には、「9. 特定の背景を有する患者に関する注意」に感染症に関する記載があります。

電子化された添付文書記載内容(抜粋)

1. 警告
〈効能共通〉
1.1 本剤の投与において、重篤な副作用(腎不全、心不全、感染症、全身痙攣、意識障害、脳梗塞、血栓性微小血管障害、汎血球減少症等)により、致死的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び本剤についての十分な知識と経験を有する医師が使用すること。

8. 重要な基本的注意
〈効能共通〉
8.6
感染症の発現又は増悪に十分注意すること。[9.1.1、11.1.10 参照]
8.7
過度の免疫抑制により感染に対する感受性の上昇、リンパ腫等の悪性腫瘍発生の可能性があるので、十分注意すること。[10.2、11.1.13 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症のある患者
感染症が悪化する可能性がある。[8.6、11.1.10 参照]

11. 副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1 重大な副作用
〈効能共通〉
11.1.10 感染症
(15%以上)
細菌性、ウイルス性、真菌性あるいは原虫性感染症が発現又は増悪することがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。異常が認められた場合には、減量・休薬、抗生物質の投与等を行うこと。[8.6、9.1.1、9.1.2 参照]

注意喚起の設定根拠

重大な副作用1)

本剤を含む免疫抑制剤を投与された患者は細菌又はウイルス等に感染しやすく、肺炎あるいは敗血症等の重篤な感染症を発現することがある。臨床試験においても感染症が高頻度に認められている(「Ⅷ.8.(2)その他の副作用◆項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧」の項参照)。細菌性、ウイルス性、真菌性あるいは原虫性感染症の発現あるいは増悪、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎の発現やC型肝炎の悪化が認められた場合には、減量・休薬、抗生物質の投与等の適切な処置を行うこと。
なお、ステロイドあるいはアザチオプリン投与時には細菌感染及び真菌感染が高頻度に認められるが、シクロスポリンあるいは本剤投与時にはサイトメガロウイルスやEpstein- Barr ウイルス(EBV)などのヘルペス属を中心としたウイルス感染が問題になっている。ウイルス感染が増加する理由としてはカルシニューリンインヒビターによってTリンパ機能が抑制されたためと考えられている。また、発現頻度は低いものの、EBV 感染に続き、posttransplant lymphoproliferative disorder(PTLD)が発症し致死的な転帰をたどることもある。2)

警告1)

「重大な副作用」の項にも記載しているとおり、本剤の投与により、腎不全、心不全、感染症、全身痙攣、意識障害、脳梗塞、血栓性微小血管障害、汎血球減少症等の重篤な副作用が発現することが知られている。これらは致死的な経過をたどることもあるため、安全性を考慮し緊急時に十分に措置できる医療施設及び本剤についての十分な知識と経験を有する医師のもとで本剤をご使用いただくよう記載した。

重要な基本的注意1)

タクロリムス等の免疫抑制剤の投与を受けた患者は細菌又はウイルス等に感染しやすく、肺炎あるいは敗血症等の重篤な感染症を発現することがある。また、既に感染症に罹患している場合はその症状をさらに悪化させる可能性があることから、十分に注意すること(「Ⅷ.8.(1)重大な副作用と初期症状」の項参照)。なお、「Ⅷ.6.(1)合併症・既往歴等のある患者」の項にも「感染症のある患者(感染症が悪化する可能性がある)」を記載している。

特定の背景を有する患者に関する注意1)
感染症のある患者

本剤等の免疫抑制剤の投与を受けた患者は細菌又はウイルス等に感染しやすく、肺炎あるいは敗血症等の重篤な感染症を発現することがある。また、既に感染症に罹患している場合はその症状を悪化させる可能性がある。

<出典>

  1. グラセプターカプセル0.5mg,1mg,5mgインタビューフォーム
  2. 堀誠司他 腎と透析 2001;51(4):513-518

注意が必要な患者

9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症のある患者
感染症が悪化する可能性がある。[8.6、11.1.10 参照]

発現頻度

電子化された添付文書

11. 副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1 重大な副作用
〈効能共通〉
11.1.10 感染症(15%以上)
細菌性、ウイルス性、真菌性あるいは原虫性感染症が発現又は増悪することがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。異常が認められた場合には、減量・休薬、抗生物質の投与等を行うこと。[8.6、9.1.1、9.1.2 参照]

グラセプター 承認時までの臨床試験及び市販後の調査1)

グラセプターの承認時までの臨床試験及び市販後の調査(再審査終了時、ただし腎移植は1年観察終了時)で認められた感染症に関連する副作用の発現頻度を以下に示した。

電子
添文
用語
発現症
例数(%)
副作用等の種類
(MedDRA PT)
承認時までの
臨床試験
発現症例数(%)
市販後の調査
発現症例数(%)

腎移植

骨髄
移植

腎移植

肝移植

骨髄
移植

肺移植

膵移植

市販後
調査
合計
感染症
101(16.56)

BK ウイルス感染

-

-

5(1.41)

-

-

-

-

5(0.89)

ポリオーマウイルス関連腎症

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

C-反応性蛋白増加

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

エンテロバクター性敗血症

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

サイトメガロウイルス感染

-

4(26.67)

17(4.80)

-

-

-

-

17(3.04)

サイトメガロウイルス血症

-

-

15(4.24)

4 (2.84)

1(2.08)

-

-

20 (3.57)

サイトメガロウイルス検査陽性

-

4(26.67)

7(1.98)

-

-

-

-

7(1.25)

サイトメガロウイルス肝炎

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

サイトメガロウイルス性胃炎

-

-

2(0.56)

-

-

-

-

2(0.36)

サイトメガロウイルス性大腸炎

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

サイトメガロウイルス性腸炎

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

サイトメガロウイルス性肺炎

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

ブドウ球菌性創感染

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

ヘリコバクター胃潰瘍

-

-

-

1(0.71)

-

-

-

1(0.18)

感染

-

-

-

-

1(2.08)

-

-

1(0.18)

感染性腸炎

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

急性胆管炎

-

-

-

1(0.71)

-

-

-

1(0.18)

菌血症

-

-

-

-

1(2.08)

-

-

1(0.18)

口腔カンジダ症

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

口腔ヘルペス

-

2(13.33)

2(0.56

-

-

-

-

2(0.36)

細気管支炎

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

細菌性胃腸炎

1(2.86)

-

-

-

-

-

-

-

細菌性腸炎

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

細菌性敗血症

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

細菌性肺炎

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

歯肉腫脹

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

出血性膀胱炎

-

1(6.67)

-

-

-

-

-

-

術後創感染

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

処置後感染

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

上気道の炎症

1(2.86)

2(13.33)

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

上気道感染

1(2.86)

-

-

-

-

-

-

-

心内膜炎

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

真菌血症

-

-

-

1(0.71)

-

-

-

1(0.18)

腎盂腎炎

-

-

2(0.56)

-

--

-

-

2(0.36)

前立腺炎

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

創部膿瘍

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

帯状疱疹

-

3(20.00)

5(1.41)

1(0.71)

1(2.08)

-

-

7(1.25)

大腸菌性胃腸炎

-

-

-

1(0.71)

-

-

-

1(0.18)

胆管炎

-

-

-

1(0.71)

-

-

-

1(0.18)

尿路感染

1(2.86)

-

-

1(0.71)

-

-

-

1(0.18)

肺炎

-

1(6.67)

1(0.28)

1(0.71)

-

-

-

2(0.36)

鼻咽頭炎

4(11.43)

1(6.67)

2(0.56)

-

-

-

-

2(0.36)

蜂巣炎

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

毛包炎

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

扁桃周囲膿瘍

-

-

1(0.28)

-

-

-

-

1(0.18)

膀胱炎

-

1(6.67)

-

-

-

-

-

-

MedDRA PT:ICH 国際医薬用語集 基本語(Ver.14.1)

<出典>

  1. グラセプターカプセル0.5mg,1mg,5mgインタビューフォーム

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